読書日記 No.1 ”東大の先生! 文系の私にわかりやすく高校の数学を教えてください!”

このブログでは私が読んだ本の内容を紹介します。
皆さんの読書の参考にしていただけると嬉しいです。

 

30代、製造業の経理・財務部門で働くサラリーマンです。
社会人向けの教養書・ノウハウ本が多くなると思います。
同僚におススメする気持ちで書いていきます。
宜しくお願いします。

 

  • タイトル

東大の先生! 文系の私にわかりやすく高校の数学を教えてください!

 

 

 

 

  • 作者

西成活裕
東京大学先端科学技術センター教授 数理物理学者

「渋滞学」などの研究で知れられています。テレビで渋滞について解説されることもあり、この本を読む前から西成先生のことは知っていました。

 

  • 狙い

文系が履修する範囲の高校数学を分かりやすく解説し、「数学が便利な道具である」ことを伝える

 

  • 特徴

取り扱われるテーマが厳選されており、高校文系数学がコンパクトにまとめられています。さらに文系数学をベースとしながら、「ベクトル」「微分積分」といった理系で学習する範囲の数学にも触れています。
数学が苦手なライターさんとの対話形式です。

 

  • 概要

各分野のゴールを以下のように定めて解説します。


①代数(数と式)のゴール:データを扱えるようになる

 解説範囲 数列の和と計算、順列と組み合わせ、分散と標準偏差
②解析(グラフ)のゴール:4つの関数をマスターする

 解説範囲 二次関数、指数関数、対数関数、三角関数
③幾何(図形)のゴール :ピタゴラスの定理の一般化

 解説範囲 三角比、余弦定理の証明

 

これらの文系数学を解説したうえで、付録としてベクトルの概念と微分積分について解説します。

 

  • 購入の理由

本屋で立ち読みした際に、「今の学校教育は何を作っているのか伝えないまま、料理をさせているようなもの。ゴールのイメージもないから脱落する人も多い。」という趣旨の解説を聞いて、何故だか納得しました。
私も文系で、高校時代に数列を習いだした頃から授業について行けなくなりました。作者の指摘されていることにズバリはまっていたのだと思います。「この本を読めば高校数学の全体像が理解できるのでは」と思い購入しました。

 

  • 感想

数学の苦手な人にもわかりやすい言葉で書かれており、スムーズに読み進めることができました。読み終わった後に「これで数学が分かった!」というところまでは行きませんでしたが、「高校数学にはこんな狙いがあったのか」という気付きがありました。

あとがきで作者が「この本を高校生には薦めない」と語っている部分が印象に残りました。薦めない理由は、 「結局こういうことだったのか」という霧が晴れるような瞬間にこそ勉強の楽しみがある。その楽しみの機会をこの本で奪いたくない というものでした。確かに、勉強の苦しさと楽しさは一体で苦しみがあるからこそ楽しさが際立つものなのかも知れません。

 

  • おススメする人

数学に苦手意識がありながら、データ解析などを仕事にする人
職種で言えば生産管理・事業企画・財務などの人は仕事につながる部分があると思います。

 

  • 参考

兄弟本として中学数学を扱った「東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!」もあります。

 

 

 

 

以上です。